行くよ、未来

野外施設部

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野外活動課

チームとして価値を高め合う

INTERLOCUTOR

  • 部長 Okamoto Mineko
  • 主任指導員 定山渓自然の村 Kinoshita Hayato
  • 指導員 青少年山の家 Takeuchi Mai
  • 指導員 定山渓自然の村 Suzuki Takuya
  • 指導員 青少年山の家 Kimura Aoi

進行 係長 Takezawa Yukihiro

担当しているからこそ分かる、野外活動課のこと。
部門長と若手職員、それぞれの思いを語ってもらいました。

豊かさの実現に向けて仲間と協力し合う

活動協会40周年にあたり、改めて野外活動課の歩みをお話しください。

岡本 1980年、札幌市からの委託を受けて滝野自然学園で様々なキャンプをスタートさせたのが野外活動の始まりです。協会創成期にいらした佐々木順さんや相馬宏哉さん、大築覚さんらの指導のもと、「みどりと遊ぼう自然学園」とか「じゃがいもキャンプ」などそういった独自の事業をやっていました。

現在、事業は企画事業課に担当が移りましたが、1998年からは定山渓自然の村、2010年からは青少年山の家と北方自然教育園が加わり、これら3施設の管理運営を行い、野外活動を通じて人が成長できる場を提供しています。

野外活動課のミッションはどういったことになりますか?

竹内 ミッションは「自然体験活動を通して、豊かな社会と未来を創造する人づくりを目指す」です。

岡本 自然という、家の中でも学校の中でもない非日常の空間に触れ、たとえば森林から何か発せられるものを受け取るとリフレッシュできますよね。一方、大雨や強風などの悪天候、北海道だと冬の寒さなど厳しい状況にさらされることもあります。そんな時も、仲間と一緒なら互いに知恵を出し合い心地よく過ごせるはず。自分一人ではできないけど、みんなと協力することで、自然の厳しさも楽しく乗り越えられる場面があると思います。

ミッションに掲げる豊かな社会というのは物質的な意味ではなく、心身ともに健康であるとか、人の多様性を認められる社会であるとか、新しいことに挑戦しようという機運や意欲が持てる状態を指します。

その未来を作る人は誰かと考えたとき、私にとっての未来は若手のみなさんであり、さらに子どもの世代かもしれない。その世代の方々がさらに“豊かな未来”を創造できるよう考える力を持った人を育てていきたいと常に考えています。

「チーム」のあるべき姿を考える

野外活動課の持つビジョンは3つあると伺いましたが。

木村 はい。1つ目は「自然から学び、人から学ぶチーム」、2つ目は、「社会的課題に目を向け解決の手立てを考えるチーム」、3つ目が「地域社会に信頼され、貢献できるチーム」です。

なるほど。それぞれのビジョンについて、こうありたいという姿について部長にお聞きします。

岡本 1つ目ですが、自然の恩恵や厳しさから私たちが学ぶことは多く、それによりどうやって人と協力して生きていくかを考えていく必要があります。また、私たちが教えてあげるのではなく、子どもたちやボランティアさん、外部の異なる職業の方、一緒に関わってくださる方々と互いに学び合うべきなのではないかという話はビジョン会議でも出ました。

2つ目のビジョンはいかがですか?

岡本 私たちは施設運営や事業を通して様々な方々と関わり、地域の中から世の中の困りごとを拾い集め、それを社会の課題として分かりやすく言葉や形にして提示してきました。さらに様々な活動団体や行政と課題を共有して、新たな市民サービスにつながってきたものもあります。

そのために、社会が必要とするものをキャッチできるように、私たちはアンテナを張っていく姿勢が必要です。そして一人ひとりが課題を私ごととして真剣に取り組み、どうやったら解決できるか知恵を絞っていくのが私たちの「ありたい姿」であり、理想形ではないかと思います。

3つ目のビジョンにある「地域」とはどの辺を意識していますか?

岡本 一口に地域といってもいろいろあります。札幌市なのか、北海道なのか、日本なのか、それとも町内会か。それは関わる対象によってさまざまだと思いますが、どこであっても「気軽に話ができた」とか「相談したらアクションにつながった」「一緒に考えましょうと言ってくれた」という風に、地域から頼りにされることが活動協会の存在意義です。

ところで、なぜ3つとも「チーム」と入っていると思いますか?

木村 人と人がつながっていないと乗り越えていけないというか…。

木下 個の力ではなくて、3施設の考えを持ち合わせて解決に導くというところでチームなんじゃないですか?

鈴木 一人で考えるには限界があるから、全員で考えることでさらに良いものを目指すというところでの共有、チーム?

岡本 その通りです。やはり一人でできることには限りがあります。仲間で役割を分担し、知恵を出し合った方がより多くのアイデアが生まれ、前に進みます。

人生にはいろいろな波があって、その波は人によって異なります。たとえば体調が良いときもあればそうじゃないときもあるし、子育て期があれば、親の支援が必要な時期もある。そういう人たちが集まって一緒のチームを作っている。例えば、すごく能力のある人が一人だけが先頭を切って、ほかのメンバーはただついていくだけだとすると、その人が体調を崩したりして続けられなくなった時点でミッションへの歩みが止まってしまう。

世の中の課題は待ったなしです。歩みを止めないためにも、さまざまな人生の状況にある人たちと一緒に、チームで立ち向かうことがポイントだと思っています。

取り組みの中で感じた野外活動の価値

昨年3つの施設でそれぞれ企画力の向上に取り組んだと聞きましたが、やってみてどうでしたか?

竹内 3施設のメンバーが何か一つのものを作り上げるのは初めての体験だったので、始めは不安が大きかったのを覚えています。実際に作り上げた後は、ここまでできるんだという自信と達成感、メンバーへの信頼感が新たに生まれました。

木村 私も、3施設が連携することでおもしろい事業も考えられると分かりました。今回は課題を抱える子が対象の企画を考えたので、こども事業課とも連携できれば、より多くの人に自然体験を提供できるのでは、と可能性の広がりを感じました。

木下 垣根を乗り越えて話ができたことでグループの絆が深まったし、他施設のことを知る貴重な体験でした。

竹内 「人と自然をつなぐ」という目標があるので、野外への興味が0だった人も求められれば1になるような手助けやきっかけを作っていければと思います。

木村 きっかけは大事ですね。どんな人でも気軽に自然体験や発見ができて、その中での感動体験が、「自然っておもしろい!もっと知りたい!」という思いにつながればいいですよね。

鈴木 特に今、コロナで外に出られない、いろんなことができない状況下だからこそ、どうしたらいいのか前向きに考えなければ。学校は昔から自然体験のニーズがありましたが、企業をはじめ大人や大学生など、まだまだ潜在的なニーズは眠っているはずです。できない・やらない言い訳より、できる・やる方法を模索した方が光明を見いだす可能性がある分いいですよね。

木下 外遊びの楽しさが広まってきましたよね最近。みんながみんなというわけじゃないけど、外遊びが好きになる要素を持っている子どもたちは、大人になってもそれを忘れないと思います。楽しいだけで終わっちゃうのではなく、その楽しさを学びへとつなげる一歩が、野外施設部の大切な仕事なんじゃないかな。

見えてきた野外活動課の「これから」

皆さんから部長へ、この機会に聞いてみたいことはありますか?

木村 活動協会の始まりはキャンプとおっしゃっていましたが、いろんなキャンプをやってきて思い出に残っていることや苦労したこと、印象に残っていることや人などを教えてもらえたら。

岡本 子どもの成長を間近で見て幸せを感じたことがあります。その子は初めて低学年キャンプに参加した1年目はずっと泣いていたけど、2年目に来た初日、ちょっとはにかみながらも駆け寄ってくれました。日が沈む「たそがれタイム」にはやっぱり泣いていたけど、1年目と違ったのは、泣きながら作業をしていたこと。2日目の夕暮れ時には、彼女は泣いていなかった。何かを乗り越えられた瞬間だと思いました。3年目、彼女は泣いている子を励ましていました。親から離れ、キャンプでの活動が成長につながったと感じています。

鈴木 40年の歴史の中で、設立当初の思いにも変化があると思いますが、最初の頃に活動していた指導員の姿と今の指導員との違いや、今の指導員たちに感じていることはありますか?

岡本 相馬さん(創成期のメンバー)にはいつも「働くというのは、端(周り)が楽になるように動くこと」と言われていました。自分の働きがチームのみんなに仕事のしやすさを提供できているか、という意識を持ちました。きっと私たちに足りなかったものを指摘してくれたんだと思います。

さらに視野を広げて考えると、自分のためではなく社会の中で誰かの助けや喜びになると思えば一歩踏み出す力が出ると思うのです。みんなにもどんどん新しいことに挑戦をしていってほしいです。

では、一人ずつ今日の感想をお願いします。

木下 座談会という形が初めてだったので、とても緊張しました。指名されたときも「私でいいんですか?」みたいな感じでしたが、みなさんの考えや思いに触れ、仕事について見つめ直すいい機会になりましたし、今後に生かしていけそうです。これからも野外施設部の職員として、みなさんと手を携えていきたいな、と今日一日で思えました。ありがとうございました。

鈴木 私も木下さんと一緒で、現場ではいろんな経験をさせてもらっていますが、こういう場でしゃべれるのか、部長のお話をどれだけ理解できるのか不安でした。

参加してみて、活動協会の真の魅力はすごく純粋でシンプルなところ、例えば自然体験を通じた友達との出会いや社会にとっていいものを提供することであり、また私たちもそれによって起きる変化を目の当たりにできることだと分かりました。とても良い機会をいただき、ありがとうございました。

木村 自然体験の指導はやりたかったことでもあり、毎日充実して楽しく仕事をしていますが、ミッション・ビジョン・バリューについて深くは理解していませんでした。職員としての伝えたい思いはあるけど、それを言葉にするのは難しかったので、今回、自分のバリューを考えて何をやるべきか整理できたし、これから目指すものも少し見えてきました。

部長のお話も普段なかなか聞く機会がないので、参加させていただきよかったと思います。

竹内 今日の座談会の中では、「チーム」の話がとても印象に残りました。

職員になって3年目くらいまでは、自分のできないことや苦手な部分にとらわれてがんじがらめになることが多かったんです。今の山の家の職員もすごく個性豊かな人が多くて、得意なものがはっきりしています。そんなとき「適材適所」という言葉が頭に浮かんできたんですね。自分がどうしても苦手なことは得意な人にサポートしてもらえれば、成果も上がるし、自分はほかの人の苦手な部分を補える人になれればと思うようになってからは、少し楽になりました。

今回チームの話で、周りの人たちが仕事をしやすくするために何をすべきかという部分が今の業務につながり、ストンと落ちるものがありました。

岡本 時代とともに財団のありようも少しずつ変わっています。みんなもこの先仲間やチームを大切にして、私たちのミッションは何かということを、その年ごとに研ぎ澄ませていってください。

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